第 十 一 日



『あくる朝ヨシュアはやくおきいで祭司等さいしたちヱホバのはこき』(ヨシュア記六・十二、三・一、七・十六、八・十)

 ヨシュアは四度『朝はやくおきいで』といわれております。第一は約束の地を占領するため民がまさにヨルダンを渡ろうとしたかのシッテムに於て、第二はエリコに於てかのまちの石垣を取り囲む前、次はアカンの罪が見露みあらわされ又罰せられた時、及びアイの占領の時であります。かれの早起きは、神がその都度彼に与え給うた働きを断乎だんことしてなしとげんとするかれの決意の証拠でありました。その決意は彼が神に依り頼んだかれの信仰の力の証拠であって、彼は神必ずイスラエルに勝利を与え約束の地を賜わるべしと厚く神を御信認申したからであります。

 今日こんにちに於ても、昼の真中に静まる時を得られない多数の人にとって、早起きはその霊的生活に、恐らく彼等の考える以上の重要さがありましょう。『早い』という語は、すべての人に一様の意味を含みません。しかし私共がいくばくの時をひとり神とともに持つことの出来るに足るだけ早く起きなければならないということはすべての人に一様であります。約束の地の征服、強い信仰の実生活の継続、隠れたる罪の発見とその絶滅、敵に対して凱旋的勝利等──これらはすべて怠けたり、呑気にしたりしていては到底らるるところのものではありません。あたかもヨシュアが神のしもべとして、一筋ひとすじの心もて神のむねを行わんと朝早く起きでてこれらすべてのはたらきに立ち向った如くに、私共もそうあらなければなりません。

 ヨシュアの如く信仰の人たらんことをねがうすべての者、又、かれの如くその信仰のむくいを受くることを望むすべての者よ、彼についてしるされているところを記憶しなさい、『ヨシュア朝早く起き』と。



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