第  七  日



しかしてその(壇の)上その四傍しほうそのつのともに純金を着せ …… アロン朝ごとにその上にかうばしきかうたくべし かれ燈火ともしびを整ふる時はその上にかうたくべきなり』(出エジプト記三〇・三

 『かうばしきかう』とは祈禱のことであります。『われは薰物たきもののごとくにわがいのりをみまへにさゝげ』(詩一四一・二)。『またほかの一人の御使みつかひきん香爐かうろを持ちきたりて祭壇の前に立ち、多くのかうを與へられたり。これはすべての聖徒のいのりに加へて御座みくらの前なるきん香壇かうだんの上に獻げんためなり』(默八・三)。

 大いなる祭司長を通して昇りく祈禱は、神様にとっては馨ばしき香であります。かの香は祭司達によって、朝ごとに、焚かるべきでありました。神の家はかくてかぐわしき芳香をもって満たされたのであります。これは又私も、神の祭司としてなさなければならないところのことであります──私は神の宮殿であります。私の心の全部は私が朝ごとに神に献げ奉る祈禱と感謝とのかぐわしき香もて満たさるべきはずであります。この目的のために如何なることにもまさって必要な一事は、私の祈禱は聖父みちちにうけれらるるものであると知ることであります。聖靈はこのことの確信をうちに与え給いましょう。私は信仰によって神の愛とめぐみとを現実に実感するために、祈禱の前に、又祈禱のうちに、又祈禱ののちに、ゆっくりと時間をとらなければなりません。

 私は真にキリストと一つであるとの信仰を与えられて、彼との結合を意識しなければなりません。この結合の中を歩む目的をもって、私自らを献ぐべきであります。わが聖父みちちは真に私の祈禱をおよろこびをもって見ていて下さるとの活々いきいきした確信を御聖霊をして私のうちいき吹き込ましめ奉らねばなりません。

 かくてこそ私は、毎朝、馨ばしきかおりの香を焚く力に満たされて、聖靈によって霊感させられた真の祈禱を献げ奉ることができましょう。かくてこそ私は、終日、神の聖前みまえを、祭司として歩むために、立上たちあがっていでゆくことができるのであります。



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