第  三  日



あかつきにヱホバ火と雲との柱のうちよりエジプトびとの軍勢を望みエジプトびとの軍勢をなやまし …… モーセすなはち手を海の上にのべけるに夜明よあけにおよびて海もと勢力いきほひにかへりたれば……ヱホバ、エジプトびとを海のなかなげうちたまへり』(出エジプト十四・二四二七

 それは早朝に於てでありました。しゅはイスラエル人に、彼らの敵に対する完全な勝利を与え給いました。これはその前日に於てなされたお約束の成就でありました、『なんぢらが今日けふ見たるエジプトびとをばなんぢらかさねてまたこれを見ることたえてなかるべきなり』(十三節)と。さらばわが魂もまたこれを発見すべきであり、『朝』こそは今もなお神の選びの時であります。この朝まだきに於てこそしゅはその子供等に、彼らの敵に対する勝利を与え給うのでありますと。『世に勝つ勝利は我らの信仰なり』(ヨハネ一書五・四)。朝の静けさのうちに神を仰ぎ望んで、信仰は神を力づよく捕え奉る時を与えられます。かれの御臨在のひしひしと迫りきたって触れ給う御前おんまえに黙想し、又その感化をわがものとして交わりつつ信仰はいよいよ堅く堅固なる土台の上に立ち、如何なる約束も成就せらるべしとたやすく期待することの出来る根拠を見出してまいります。

 すでにこの世とすべての仇敵とに対して完全な勝利者であるキリストに自己が明渡あけわたされてくるからであります。信仰はその営むべきすべての戦闘のために力をキリストのうちに見出します。『おそるゝなかれ靜かにたちてヱホバのすくひを見よ』(十三、十四節)──かの朝のすくいを告げ示したこれらのことばは私共をも教え、毎朝そのはじめに於て私共はこの日一日のために何を期待し、又如何に覚悟すべきかを学ばしめます。しかり、しゅよ、今日私が敵を見る時にも、私は懼るることなきのみか、ただ『靜かにたちてヱホバのすくひを』見奉りましょう。

 基督者よ! 『曉の見張り』に注意深くありなさい。さらば夜明となる時ヱホバの勝利はあらわされます。『ヱホバ汝等なんぢらのために戰ひたまはん 汝等なんぢらしづまりてるべし』(十四節)。しかり。アーメン、わが魂は常に神の前に平静であります。当然の勝利を確信もって期待しつつ。



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