第四十六篇 題目 最近き助なる神 (一)
女音のしらべにしたがひて伶長にうたはしめたるコラの子のうた
- 神はわれらの避所また力なり なやめるときの最ちかき助なり
- さればたとひ地はかはり山はうみの中央にうつるとも我儕はおそれじ
- よしその水はなりとゞろきてさわぐとも その溢れきたるによりて山はゆるぐとも何かあらん セラ
- 河あり そのながれは神のみやこをよろこばしめ至上者のすみたまふ聖所をよろこばしむ
- 神そのなかにいませば都はうごかじ 神は朝つとにこれを助けたまはん
- もろもろの民はさわぎたち もろもろの國はうごきたり 神その聲をいだしたまへば地はやがてとけぬ
- 萬軍のヱホバはわれらとともなり ヤコブの神はわれらのたかき櫓なり セラ
- きたりてヱホバの事跡をみよ ヱホバはおほくの懼るべきことを地になしたまへり
- ヱホバは地のはてまでも戰鬪をやめしめ弓ををり戈をたち戰車を火にてやきたまふ
- 汝等しづまりて我の神たるをしれ われはもろもろの國のうちに崇められ全地にあがめらるべし
- 萬軍のヱホバはわれらと偕なり ヤコブの神はわれらの高きやぐらなり セラ
本篇中にある三のセラ(止りて考へよの意)によりて三に區分す。
(一〜三)恐怖と苦痛の中に平安與へらる
(四〜七)喜悅の流與へらる
(八〜十一)勝利の力與へらる
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